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目の前に死体が一つ横たわっていた。
何故死体とわかったのか。その答えは算数の足し算よりも単純明快。
───俺が殺したからだ。
たった今殺した。この右手に持ったナイフで。
街灯が瞬きのようにチカチカと明滅している。その心許ない明かりが、つい数分前まで
人間だったものを照らしている。
闇の中では色は識別しにくいが、それから流れているのは間違いなく血液だった。
ナイフから滴り落ちる血液を見て、俺は舌打ちする。
俺はまだまだである、と。
超一流なら、相手の血液を流させることなく殺すことができる。それこそがもっとも美
しい殺し方であり、死により完成する芸術だ。
俺は出来損ないのそれを確認すると、ナイフの血を拭ってポケットに納めた。
まだだ、まだ俺は自分を満足させることができる殺し方をしてはいない。
殺人現場を後にする。
俺の時間は終わりだ。

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