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アレ

今年初めてアレを見ました。
アレを。
例のアレを。
というか、何で人は皆アレが嫌いなんだろう?
だってカブトムシとかとそんなに変わらないんだよ?
色は。
まあ私はカブトムシとかもそんなに好きじゃないけど。
やっぱり動き?
後噛むところとか?
油っぽいところとか?
触覚とか?
存在自体がとか?

何か挙げたらキリがないけど、一概にどうして嫌いなのと聴かれたらちょっと答えに困るかもね。
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今日はゲームセンターに行って、ガンダムしようよと頼んだら(何で頼まなければならないんだろう)音ゲー(?)やってた知り合いが「やれやれ」って感じで付き合ってくれた。
連合ザフト2。
まあシンが使いたかっただけなんだけど。
まあその知り合いは初心者同然だったので(使用パイロットはアスラン)、4面くらいでやられたけどなかなか面白かったねー。
シンの台詞が結構増えてて良かった。

就職活動は友達に色々と教えてもらいながらボチボチとやっております。
まあエントリーしかしてないけどね!
「内定決まった?」
と聞かれたので、
「まあね。中小企業だけど、ブラックじゃないよ」
と控えめに答えたら、
「嘘だッ!まだ就職活動すらして無いくせに」
と笑いながら言ってきたので、知ってるなら聞いてくるなと心の中で叫びながら、
「どこか紹介してよー」
って言ったら、
「アパマンショップなら、即採用だよ」
とか言ってきたので、
「ああ、そう。切るね」
と言って切った。
それだけ。


サイゼリヤで食べてきたんだけど、サイゼリヤは1000円あれば十分お腹いっぱいになるね。ちょっと辛いくらい。
ドリンクバー120円っていうのもいい。
というか、ドリンクバーでお腹大きくなってる時点で終わってるけど。
小説家とかはこういったところにノートパソコンを持ち込んで、優雅に仕事しているんだろうなぁ。羨ましい。
と言っても偏見ですが。

終了!

今日でテストもレポートも終了!
ただ、レポートを提出しに行ったら、
「あ、四年の方はそのレポートは提出しなくていいので」
らしいです……。
一応2時間くらいかけてレポート作ったんだけど。しかも手書き指定だったから手書きで。
この苦労はいったい……。
もう何でもいいから受け取ってくれればいいのに、教務部も人が悪いなぁ。
教授もだけど。

ついでに証明書の類も一式もらってきた(と言っても買ったようなものだけど)ので、就職活動もやることができます。
しかし証明書各一枚につき300円って……。
2セット買っただけで1800円したんだけど。
お金かかる大学とかからない大学があるのかな?
明日で終わる!
全部終わる!

そう……

ひぐらしのなく頃に……
何だかアルバイトが1時から5時のアルバイトが結構忙しい。
煙草やらそういうのの検品やら。
まあ忙しいのは構わないと思ってたんだけど、何かちょっと考えが変わって来るかも。
とにかく人が多いって言うのは大変なんだなと実感。
明日は政治学、健康心理学。

現代史

今日のテストは現代史。
一応勉強はしていったんだけど、同じ問題をしているのに私の倍以上も答えを書き続けている人のことが理解できない。
何故……。
でも今までもそれで普通にいい成績とかだせてるんだけど、まとめ方の違いなんだろうか?
教授も長ったらしかったら読みにくいかなと思って、私は結構短めにしてるんだけどな(ごめんなさい、嘘です)。
とにかく今週頑張れば終わりー。

テスツ

ボランティア論は……微妙です。お願いだから通って欲しいところ……。
今日もまた一つレポート仕上げました。
予定は狂って統計学です。結構簡単にできましたね。
明日の現代史の勉強したいと思います。

テスト

やっと児童擁護論のレポート終わりましたー。
明日は福祉心理学を終わらせるつもりです。
ついでに明日はボランティア論のテスト。
一時間目から……。
まあ今週はテスト期間なので頑張ろうと思います。
ボランティアは出席点がかなり大きいので、そこそこできれば単位はくるはず。
まあできれば優がほしいんだけどさ。
頑張ります。
隣の中学校で耐震工事が始まったので、多少バイトが忙しくなり始めた。
まあ、少しは忙しい方がいいかな?
何か猫にひっかかれた腕がちょっと痛いことになってるので、誰かにつっこまれたらどうしようと思ってたけど、幸いな事につっこまれずに済んだ。

で、来週末提出のレポートがまだ終わっていない。
一応レクリエーションは終わったんだけど、肝心の福祉心理学やらが……。
何かテーマが漠然としすぎていて書きづらいんだよね。
明日バイトから帰ってきたら書いてみるけどさ。
さらに来週からはテスト。
このコンボは……!

新庄

オールスター開幕です。
新庄のパフォーマンスというか、皆新庄を利用してオールスターを盛り上げてるような感じなんですかね。
清原には是非打って欲しかったけど駄目だったようで。
ちょっと残念。
後はそこまで見てないかも。

最近はずっと雨が降り続いているようで。
雨は好きなんだけど、ここまで続くとね。
しかも各地で結構被害が出てしまっているらしいし。
早く梅雨があけるといいね。

後、ひぐらしのなく頃に全てやり終えたから、最後の発売日が楽しみでしょうがないです。
ただ私のパソコンのスペックではひぐらしデイブレイクがプレイ不可能だそうで……。
ちょっとショックです。

ゲーム

知り合いにゲームセンターへ行かない?
と誘われた。
何ていうのかな、音ゲーム?ダンスゲーム?
よくわからないのをやりたいらしい。
「レポートがあるんだよね」
「後でいいじゃない?」
「来週末提出で、5つあるんだよね」
「じゃあ余裕じゃん!」
「福祉心理学のレポートの意味が把握できてないんだよね」
「じゃあ今からいこう!」
話も聞いてくれないので仕方なくついていってきました。
私は見てるだけ。
クレーンゲームやってみようかなと思ったけど、お金の無駄になるのはわかりきっているからやめておいた。

ゲームセンターってゲーム上手い人多いよね。
当然なんだろうか。

さて

家の近くの化学工場がまた爆発したらしいです。
今回は死者も出たらしい。
何かね……。
以前爆発してから懲りてないなというか、そんなに何度も爆発させるような事をしてるのかな。
まあ別にこちらに被害があるわけでもないけど、今後は控えて欲しい。
社長も重態らしいけど。

今日もバイト。
13時から17時までは非常に楽でいいですね。
週に二回のシフトになったので、のんびりとやりたいです。
公務員も落ちたし就職活動を。
砂漠で僕はただ一人
僕以外の影は無い
でも君はそこにいてくれた

僕の影をそっとなぞるように君はいた
だから僕は立ち止まらない
君をこの砂漠から連れて行くために
レポートが結構あるので一つずつ崩していこうと思っています。
テスト勉強もちょっとしますが、まずはレポート優先で……。
とりあえず統計学がアンケートも十分溜まったので(実はほとんどが捏造だったりするのは内緒)、それから片付けていこうかと。

まあ、頑張ります。

歴史

昼間にクーラーが効かないのできってみると、そこまで暑くなかったのでそこまでクーラーは必要ないんじゃないかと思ってみたり。
でもやっぱり切ってみると暑い。
今年はどれくらいまでクーラーをつけるんだろうか……。

巧妙が辻見てます。

カキ氷

流石土曜日。
今日は何もしてません。
バイト行っただけ。

それにしても最近は熱すぎ(誤字)だと思う。熱すぎてちょっと出かける気にもならないのは本当に何かの陰謀なんじゃないだろうか。
出掛けたら出掛けたでかき氷が食べたくなる。
何故カキ氷?
という質問はされても返す言葉がない。
でも抹茶ミルクはすごく美味しいと思います。

社会調査

一応今日で前期の講義はすべて終了。
後はレポートとテストですべて終了です。
数えてみると結構テストとレポートがあったり……。
でもまあ全部ちゃんとやるけど。

社会調査の先生は、いつも通り「DVDとかのレンタル品は全部しかるべきソフトを使えばコピーできるんです」
しかるべきソフトって何ですか?
しかも……。
コピーをこんな講義中に……。
「実は僕の時計MP3いれることができるんです」
時計に!?
流石にこの先生は私にとっては興味深い。
講義もいつも30分前に終わるし。
「僕は60G(だったかな?)入るiPod持ってるんですけどね」
次は自慢ですか!?
先がまったく見えない……。
「今はもうビデオからDVDですね~」
あの……この講義って社会調査じゃなかったでしたっけ……?

こういう楽しい講義はこれからも受けたいけど、もう終わりなんだなとしみじみ思ってしまいました。
あとがきと言うほどでもないですが、書いてる途中とか書き終わった後に(違うところとかで)いただいたメールなんかを参考に、一応言い訳じみたことを書いておきます。
まあこれで小説の話は終わりにするので、何かあれば個人的にメールででもお聞きください(笑)

Q,これで完成なの?
A,完成というか、初稿段階です。推敲も何もしてませんので、後付で色々と加えなければならないところなども盛りだくさんです。気が向いたらどこかに完全版とか言って密かに載せるかもしれませんが、HPの更新が億劫なので誰かお願いしますw

Q,ヒロインは誰なのか?
A,多分最初に書いたんですが、私は衣里だと思っています。理由は私が個人的に気に入ってるからで意味はありません。ただ今回はほぼ登場する機会がなかったので、この話では木の実っていうことになってるかもしれませんね。

Q,結局アリスとかそういう設定は必要だったの?てかそれって何?
A,これに限っては何とも……。ただ何か設定がほしかったので、アリスとかいうものを私が捏造しただけです。設定とかは本当は深く考えてたんですが、ちょっと噛合わなくなってきたんでぼかしてます。まあ変な錬金術みたいなものとでもお考えください。火を出したりしちゃってますからね。これはただの演出のために使わせてみただけなのですが。ただ石を金にしたりすることはできません、今の所は。
現実上のインターネットというのが変な言い方ですが、あってるのかな。私達の周囲には情報が渦巻いていて、その情報を読み取り、干渉し、書き換えたりするようなことを書きたかったんですが、私にはそこまでできませんでした。

Q,組織とか本当にありがちな(苦笑)
A,ごめんなさい。やっぱり物語には必要と思って。
ただ組織は摂理が作ったというわけではありません。念のために補足として。


というわけで、この小説の話はさっぱりとこれで終わりにします(日記上では)。
誰かまとめてくださいw
明日からは普通の日記になるかな?かな?
そこは以前、私達が一緒に入った喫茶店だった。
四条は前と同じように紅茶とケーキを頼む。ケーキは今度は二人分だった。「甘いものが好きなの?」という問い掛けには「辛いものよりは」と答えた。
紅茶がやってきて、四条はそれに口をつける。私も同じように口をつけた。
しかし今回は、こうやって一緒にお茶を飲むことが目的ではない。
聞かなければならない。真相を。
「四条、教えて」
ストレートに言う。
四条は静かにカップを置いた。
「話そう」重々しく口を開く。「君には覚悟があるようだ」
何の覚悟かは、正直言ってよくわからない。でも、何を聞いても受け入れてやるという覚悟はある。
「今回の件の黒幕は摂理。その名前に聞き覚えは?」
記憶を巡らせてみるが、私のメモリにそんな名前の人物の存在はなかった。
「実は君は摂理には会ったことがある。それも今回と同じように記憶を操作されてしまった、というわけさ」
「つまり、私は本当はそのセツリっていう人を知ってるっていうこと?」
四条は首肯する。
ではなぜ私は覚えていないのか? 記憶操作なんて非常識な単語で片付けられてしまうなんておかしい。
「アリスによってアリスの情報中枢のある部分を麻痺させる。アリスが使えない者ほどこの耐性がない。また使える者でも、あるロック処理をしておかなければ簡単に破られてしまう。ロストメモリの生徒の記憶を操作、いや、麻痺させられたのもそのためさ」
「そのロック処理っていうのは、簡単にはできないの?」
「教員レベルなら可能だろうと思う。しかし情報中枢を麻痺させるというのは、術者の間では禁忌の一つなので、している者はほとんどいないだろうね」
なるほど、とりあえずそれで小谷教授の件は納得がいく。私だけ記憶が残っているのは、四条が私のアリスにリンクした時に、そのロック処理を施してくれていた為だろう。
「その、浅野千絵や小谷教授、そしてそのセツリっていう人達は何者なの?」
聞いた瞬間に後悔した。だって、四条の目がまた暗くなってしまったから。
「その先を僕が言うには、君にまた一段階上のリスクを強いることになる」
「一段階上のリスク?」
四条はケーキに手をつける。そしてこちらを見ずに言った。
「命の危険というリスクを」
……命。
その言葉に思わず身震いする。
話を聞くことは、つまり、死というリスクを背負うということだ。
私にその覚悟は、
「摂理については聞かない方がいい」
ない。
私は詰まった息を飲み込んで頷いた。
「じゃあ、浅野千絵の事は聞いていい?」
喉が渇いたので紅茶を口に運ぶ。
四条が話すと言ってくれたのだから、聞けることはすべて聞いておくべきだろうと思った。
「……何かまだ疑問が?」
「ある」
「僕に分かる事ならば」
四条は全て知っていると思った。私の知りたい事は全て。
「浅野千絵はどうして四条のためにあんな事を?」
浅野千絵は四条を出てこさせるために愛美ちゃんを使った。
ならばそれには理由があるはずだ。
四条は店員に声をかけ、紅茶のおかわりを要求していた。
「それは僕と彼女が過去に関わりを持っていたからさ」
「関わり?」
「ああ」
身を乗り出して聞く。四条が私や衣里以外の人と関わりを持っているという話はとても興味深いものだったから。
店員が持ってきた紅茶に今度はミルクをいれた。
「僕と浅野千絵は、最初は同じ組織にいた。もっとも、組織といってもただアリスを使える者、才能がある者の集団に過ぎなかったが」
私もケーキを食べる。ここのケーキは二度目だけど、中々美味しくて私の好みによく合っている。
四条は続ける。
「浅野千絵はその中でもかなり突出した才能を持っていた。しかし、彼女はまだ年齢が幼く、その才能を発揮することができない。そんな彼女を、僕が面倒をみるようになった」
それはそうだ。今でもまだ十分に幼いのに、四条が話しているのは過去の話なのだから、浅野千絵の更に幼かった時の話だったのだから。
「最初、彼女は僕と一緒にいる事を拒んだ。けれど、指導を繰り返していくうち、彼女はついに僕に心を開いた」
「そんな子がどうして四条の命を狙うの? 互いに信頼関係があったんでしょ?」
 四条は首を横に振る。
「本当にそんなものがあったのか、僕には分からない。ただ、彼女が僕を恨んでいる理由なら想像がつく」
「どんな?」
「僕が彼女を裏切ったから」
「裏切った?」
そこで言葉を切る。しかし話を止めるつもりではないようで、一口紅茶を口に含んで再び話しだした。
「僕がその組織を抜けたせいさ。それは直接的ではないにしろ、彼女を裏切ったという結果になった」
つまりそういうことさ、と話を締め括った。
なるほど、今回のことは浅野千絵の四条への執着から起こったことだったということか。
「でもどうして裏切ったの?」
「それは言えない」
ピシャリと言う。
「じゃあさ、浅野千絵を倒したのって、あれどうやったの?」
あの時、眩しい光が辺りを包んだと思ったら次の瞬間、浅野千絵が倒れていた。
四条が何かしたというのはわかるが、どうやったのかがまったくわからない。
一応、私もアリスを学んでいるし、どんなことが起こったのかそれなりに興味がある。
「膨大なアリスの情報を、彼女のアリスに流し込んだ。それによって彼女のアリスはオーバヒートを起こし、気を失ったというわけさ。光はおそらく情報のことだろう、僕とアリスをリンクさせていたから見えたんだろうと思う」
「へぇ……なんかすごいね」
「もちろん、一人分の情報量には限界があるから、それ以上の情報量を送らねばならない。だからあの時は君のアリスを借りた」
あの時勝手に(一応言ってはきたけど)リンクした言い訳だろうかと思いつつ聞く。
でもよかった。相手のアリスをオーバヒートさせて気絶させるというのが四条の目的だったなら、殺意とかそういうものはなかったということだ。
その事がとても嬉しく感じられた。
これで私の聞きたかった事はほとんど聞いた。
「あ、でもさ。何もしてないとか言って、結局四条は私のアリスにロック処理とかしてたんだよね?」
四条がほんの少しだけ表情を変えた。よく見なければわからない程度の苦笑。
「まさか、また四条と話せるようになるとは思わなかったけど」
既に表情は消えて紅茶を飲んでいる四条に私は言う。
「できたらこの関係を維持していけたらいいなって今では思うよ」
少しだけ間があって彼が答えた。
「君がそれでいいのなら」
口に運んだ紅茶は、ちょっぴり甘かった。
翌日、私の調子は決していいものではなかった。
身体的にもだるかったし、何より精神的負荷が大きかった。
仕方ないなと自分でも思う。
昨日は色々なことが一気に起こりすぎた。今までの人生の中でもベストファイブにはいる出来事だと思う。
今日は 休もうかなと思ったけれど、一応今日が夏休みに入る前の最後の週だったので、これは休んだらまずいだろうなあと思ったからだ。
 私が休んだ日に限ってレポート課題など出されていたり、抜き打ちで試験なんてこともないとは言い切れないのだから。
四条は来るだろうか。
まだ誰も来ていない演習室で、私は席に座って四条がいつも座っている席を見つめた。
続いて教授が座る席に視線を移す。
でも小谷教授は、もういない、はずだ。
ということは新しい教授が来るのだろうか。実は今日は休講になるんじゃないかなどと気になってしまって、いつもよりかなり早く来てしまったのだ。
しかし休講の掲示はなかった。
もしかしたら、昨日の出来事はすべて夢だった、とか……。
淡い期待を抱きながら私は待つ。時計を見るとまだ後半時間以上もある。
ため息を一つつくと、それが合図だったかのように扉が開いた。誰だと思い視線をやると、
四条貴擁だった。
今日はいつもと同じ黒ずくめではあるが、コートは着ていなかった。そういえばコートは昨日破れてしまったんだったっけ?
「おはよう」
何も言わずに席に向かう四条に私は声を掛ける。まあ無視されるだろうなとは思ったけど。
しかし意外にも反応があった。
「おはよう」
私はきょとんとして瞬きする。あの四条が挨拶をするなんて。
「早いんだね」
二人きりの教室で、話す以外にすることはないし、ちょうど誰もいなかったからと理由を勝手に自分でつけて話題を振ってみる。
しかし今度は頷いただけだった。
あれは、四条は多分アリスを展開している。何となく雰囲気でわかった。
アリスを展開しながら他に注意をむけるなど可能なのだろうか(少なくとも私には無理だ)。
そうは思ったのだが、私は構わず声を掛ける。
「何してるの?」
「ニュースなどを全てチェックしている」
「全部?」
「ああ」
つまりネットワークシステムで情報を漁っているということか。わざわざニュースを全部チェックしている理由はわからないけれど。
「あのさ」
本題に入ることにする。もし四条に会ったら聞こうと思っていたことだ。
「昨日の事って現実だよね」
本当は聞かなくてもわかっている。でも確認せずにはいられなかった。
「君が夢だと思いたいのなら、そう思っていた方がいい」
抑揚のない声で返し、四条はこちらに目を向けた。反射的に目を逸らす。
「認めたくないんだろう?」
ずばり私の思っていたことを言い当てた。
私は何も言い返せない。
「それなら」一泊置いて四条はやはり同じように無感情に、「全て忘れるんだ。小谷という人物が存在していたことも、全て」
「え?」
ある単語に反応してしまった。朝から、いや、昨日からずっと気になっていた人の名前
だ。
「何で?」
「君は昨日自宅にいた。もちろん僕には出会わなかったし、何も見ていないし何も聞いていない」
もはや会話のキャッチボールと言うよりは、四条が言いたいことだけを言っているような気がする。
それに、
なぜ忘れなければならない?
四条はそのまま腕を組んで俯いてしまったが、今日はそんなことで追求を止めるつもりはない。
「私は昨日、四条と一緒にいた。それは確かで決して消せない事実だよ。どうしてそれを忘れる必要があるの?」
「……君も心の奥でそれを望んでいると思ったが」
彼は俯いたまま喋る。
「君は昨日のことを夢ではないかと思っている。さっき、僕に昨日の事実確認をしてきたことからもそれは明らかだ。ではなぜ夢だと思ったのか。それは認めたくないからだ」責めるような口調ではないが、彼が語る言葉は確実に私を責めていた。
「人はあまりにショックな事実を突然知らされた時、それを自分に都合のいいように解釈したり、記憶から消去しようとしたりする。それは、その事実を受け入れたくないから」
あまりに的を射た意見を出され、私は詰まった。まさにその通りだ。私は認めたくない
んだ。
でも、
「私が忘れても、小谷教授が死んだという事実が変わるわけじゃない……」
太股をギュッと握り締めた。記憶は捏造できても、事実は思い通りにはならない。
「それは間違いない。しかしスリーヴ……小谷という人間が死んだという事実は、彼ら以外には僕達二人しか知らない」
「え?」
今、何を言った? 彼らというのは多分、昨日の夜に会った小谷教授と一緒にいた人達のことで間違いないだろう。でも、私と四条以外は小谷教授の死を知らないっていうのは、
「それってどういう……」
「そもそも小谷という人物は存在していなかったんだよ、三嶋さん。僕達のゼミの教授は以前も今も変わることがない、吉田教授だ」
話が噛み合っていない。それはなぜ?
それは、簡単なことだ。ある一人の人間の存在を認めるか、認めないかの違い。
「すぐにわかることだから話しておく。既に小谷博康は、情報操作をされ、色んな意味でこの世には存在しない」
衝撃の一言だった。それ故に簡単には理解できない。
そもそも人一人の存在を消すなんていうことが、可能なのか。
無理、だと思う。
存在を消すということは、その人がいたという記録をすべて消すことだ。物理的な意味だけじゃない。その人に関わった者の記憶も消さなければならないのだ。
「ありえない、という言葉は摂理がもっとも嫌う言葉だった。摂理ならできる、やってしまうんだ」
また、セツリ。
いったい何がどうなっているのか私にはわからない。
「じゃあ私が小谷教授のことを覚えているのはおかしいじゃない。私は覚えてる。忘れてなんかいない」
そう、それは事実。私は記憶操作なんてされていない。
「僕は君と僕以外と言った。なぜ君が記憶操作の対象にならなかったのかという疑問への解は、僕が君のアリスの記憶情報にある仕掛けを行なったからさ」
仕掛け? 何の話だろう。
「君の納得できる解説は用意できないかもしれない。しかしもしもこの先を知りたいなら、今日の帰りにある場所に来るといい。その覚悟があるならば」
その言葉を最後に四条は言葉を切った。
しばらくするとゼミ生が入ってくる。おはよう、と挨拶を交わす。
もし、……もしも四条の言うことが本当ならば、私はこれからどうすればいいのだろうか。



ゼミが始まる時間。五分前に入ってきた衣里に確認してみることにした。
「ねぇ、衣里。私達のゼミの教授の名前ってなんだったっけ?」
「木の実ちゃん、ひょっとして自分のゼミの教授の名前も知らなかったの? 教授、怒るよ」
「あはは、何か度忘れしちゃって。夏休み前で浮かれてるのかも」
「うん、夏休み楽しみだね。課題とかいっぱい出なければいいんだけど」
ここまではいたって普通。おかしな所はない。
でも、次の言葉に私は血の気がひいた。
「教授の名前だよね。吉田教授だよ。吉田昭彦教授。もう忘れちゃダメだよ?」
四条の言っていた事に嘘はなかった。いや、彼は嘘などつく必要なんてまるでないのだ。
私はくらりとして倒れそうになるのを押さえ込む。
教授が教室に入ってくるのに、わずかに期待したがやはり小谷教授とはまるで別人だった。そして皆はその人物を当然のように迎えていたのだ。
私は自分がおかしくなったのではないかと錯覚する。
違う、おかしいのは私じゃない。気を確かにもたなくてはならない。
そうだ、四条だ。四条だけがこの真実を知っている。さっきの言葉はそれを示唆していたじゃないか。
聞くしかない。
四条貴擁に。
「その傷、大丈夫なの?」
戻ってきた四条は、闇の中で見てもわかるほどの傷を腕に負っていた。コートも着ていないし、シャツも所々裂けてしまっている。
「問題ない」
小谷教授とあの後何があったのかはわからないが、どうやら穏便に済んだようではないことがわかった。
「浅野千絵は?」
傷ついた腕で缶を持ち、もう片方の手で傷口を押さえている。早く手当てをした方がよさそうだ。
「三嶋さん?」
「あ、うん。少し話はしたけど、大丈夫そうだよ」
自販機の前で私と四条は話していた。四条は普段と同じ抑揚のない声と態度で、私は四条の傷やらがとても気になっていた。
「小谷教授は?」
あまり聞きたくはなかったが、気になって仕方がないことだった。四条がここにいるということは、どこかで撒いてきたということだろうか。
しかし返事は予想もしていなかったものだった。
「彼は死んだ」
踵を返して四条は立ち止まっていることを止めた。
私はしばらくその言葉の意味が理解できなかった。
死……んだ……?
「浅野千絵はこっちだね?」
小谷教授が……死んだ……?
なぜ……?
「四条?」
声に力が入らない。しかし聞こえてはいるようで、四条は足を止めた。
「答えられない」
私が尋ねる前に彼は言った。
「君の問いに、僕は答えられない。しかし事実は述べることができる。小谷教授はただ死んだというよりは、殺されたという表現が正しい」
殺された?
誰に?
私は震えて持っていたお茶とオレンジジュースを落とした。
「何で?」
声だけは妙に落ち着いていた。四条は何も言わず、落とした缶飲料を拾った。
「どうして小谷教授が殺されるの? ねぇ?」
「理由は君にはわからない」
無感情な声だけが返ってきた。
「行こう」
四条が促した。
考えたくはない。考えたくはないけど、この四条貴擁が、教授を殺した?
嫌だ。厭だ。否だ。いやだ!
考えてはいけない。これ以上は思考を働かせてはいけない。
ふらりと私は一歩踏み出し、お茶を受け取った。
「いずれ語る時がくるかもしれない」
呟き。
 それは今は答えてくれないということ。納得はできないけれど、今私が我儘を言っても仕方がないことはわかっていた。
「……うん」
 ただ頷くしかなかった。
私の缶を持つ手は、まだ震えていた。
十分くらい走ったところで私は走るのを止めた。
恐怖を振り払い、後ろを振り向いてみる。誰も追い掛けてきてはいなかった。とりあえずここまで来れば何とかなるだろうという妙な自信があったので、私はどこか座れる場所を探した。
すぐ近くに公園があったので、そこにあったベンチを見つけてまず先に浅野千絵をおろす。私もその横に腰掛けた。
気まずい沈黙。
もしかしたらまた、浅野千絵が攻撃してくるかもしれないと思うと、どうして連れて逃げてきたんだろうと自問したりして。
どうも私からは話し掛けづらかったので、浅野千絵の方から何か言ってくるのを待った。
が、一向に話しだす気配はなかった。起きてはいるのだが、どこか遠くの方をぼーっとして見ている感じだ。私がここにいることすら分かってないのではないかと思ってしまう。
ダメだ、間がもたない。私の方が年上なんだし、私から話し掛けたほうがいいかも。
意を決して私から声を掛けることにした。
「喉かわかない?」
私の言葉に反応したようにぴくりと肩が動いたが、反応はそれきりだった。
「何か買ってこようか? お茶がいいかな、それともジュースがいいかな?」
特に返事を期待していたわけではないので、何も答えはなかったが私は腰をあげる。まあ無難なお茶でいいだろうか。
「何も聞かないの?」
「え」
まさか話し掛けられるとは思っていなかったので、私は一瞬動きを止めた。とりあえず再び腰をおろす。
「何を?」
わざとらしく聞いてみる。浅野千絵は視線を落とした。
「私のこととか、シャドゥのこととか」
「うーん、もうさっき屋上で聞きたいことは聞いたし……、あ、そうだ。気になってたんだけど、シャドゥって四条のこと?」
本当は色々と聞きたいことがあった。しかしどう聞いていいのかわからずに、私は少し話題をずらす。
「シャドゥも四条も、彼の数ある名前の一つ。すべて彼を示す名であり、同時に彼を表わす名前じゃない」「えーと、つまり……、とにかくシャドゥも四条も四条なんだよね」
よくわからないけれど。
私は空を見上げた。白い円が見える。周りには白い粒が疎らに広がっている。どこをどう繋げば星座が完成するのか見当もつかない。
ただ、星も月も綺麗だと思う。
「あのさ、愛美ちゃんを餌にしたって言ったでしょ? あれって本心だったの?」
答えはない。
「友達のことをあんな風に言うなんてさ、私はちょっと感心しないな」
諭すように言った。別に説教とかをする気ではないのだけれど、私は最初愛美ちゃんを誘拐した理由を聞いて憤りを感じていた。
だからこれだけは言っておきたかった。私は衣里をそういう風に言われたらきっと、言った人を許せないだろうから。
浅野千絵は思い詰めたように地面を睨み付けている。少しは言いたいことをわかってくれただろうか?
「……謝る」
ぼそりと呟いた。
「愛美に謝る。愛美は私の初めての友達で、大切だから」
私は微笑んだ。彼女が本心からそう言っているのだとわかったから。浅野千絵も、本当はいい子なんじゃないかと思う。なぜ、四条にあそこまで執着していたのかはわからないけれど。
そうだ、四条はどうなったのだろうか。ここに座ってからも少し時間が経つ。まさかとは思うが、小谷教授に……。
しかしなぜ小谷教授があんなことを。
疑問が湯水のようにわいてくる。この疑問をこの子にぶつけたら、答えは返ってくるのだろうか。
思考がスパイラルする。始まりがなければ終わりもない迷宮。私はどうすれば……?
「シャドゥなら心配ない……ありません。あなたにはわからないかもしれませんが、彼は特別ですから」
急に敬語になった浅野千絵は、私を真っすぐに見据えていた。
「特別?」
「はい。でも、この先はあなたにも話せませんけど」
理由が気になったけど、その言葉で安心できてしまったのは、四条が普通ではないと感じてしまっているからだろうか。
「そっか」
浅野千絵はそれきり、再び黙ってしまった。私も今聞きたいことは特になかったので、ベンチから腰をあげる。何か飲み物を買ってきてあげよう。私も喉が乾いたし。
「私、オレンジジュースがいいです」
照れたように言った。私は親指を立てて返事する。
「わかった」
公園の脇にある自販機まで駆ける。ポケットから財布を取り出して、小銭をいれた。
特別か……。先刻浅野千絵と対峙した時に似たような言葉、四条が呪われていると言っていた。
あれはそういう意味だったのだろうか、私にはよくわからない。
いけない。
私は首を横に振った。これ以上変なことに首を突っ込まないほうがいいに決まってる。
さっきだって、そうだ。信頼していた小谷教授が、私を、殺すって、言ってた。
何であんなに軽々しく殺すなんて言えるんだろう。
ガコンと音がしてオレンジジュースが落ちてくる。
ああ、もう、考えては駄目だ。
私はお茶を選んだ。
「四条は何か飲むかな」
ふと口にする。四条は来るはずだから、きっと。
「僕は紅茶を」
背後から声がして、私はその場で数センチ飛び上がってしまった。不意打ちなんて卑怯だ。
「驚かせてしまったか、すまない」
振り返った先にいたのは、四条貴擁だった。
四条とスリーヴは同時にアリスを展開した。
「発動」
掛け声も同時。互いから肌を切り裂くような突風が巻き起こる。それは渦となり、互い距離のほぼ等しい場所で相殺した。
その時には既に四条もスリーヴも元いた場所にはいない。相手の攻撃をかわす為ではなく、二人とも自らの攻撃は相殺されるものとして次のアクションを開始していたのだ。
四条は素早くスリーヴの懐に飛び込もうとする。しかしそれは読まれた行動だった。スリーヴが四条と同じ方向へと動いたのは四条を誘い込む為の罠だった。
「はまりましたね」
奇妙な笑みをたたえ、スリーヴは右手に持ったナイフを振り下ろした。
態勢を崩していた四条は間一髪でそれをかわす。しかし完全に避け切るにはあまりにも距離が詰められていた。左腕をナイフがかすめ、肉を抉る。
そんな傷はものともせずに四条は蹴を繰り出す。油断したのかスリーヴは手に持っていたナイフを弾き飛ばされた。
ナイフが自分が回収するには遠過ぎる位置に転がったのを確認すると、再び互いに距離をとる。
「流石ですねぇ、ノワールと呼ばれていただけのことはあります」
四条は切り裂かれたコートの上から傷口を抑えていた。そこから血の雫がぽたりぽたりと地面に落ちる。思っていたよりも傷は深かったらしいとそれだけ認識していた。
「なぜ」コートを脱ぐ。その下に着てあるのはやはり黒のシャツだった。「なぜ、リディアを使った」
感情のこもらない声が問う。スリーヴは笑わなかった。
「彼……摂理の案ですよ、私は知りません」
それを聞いた四条はわずかに顔を歪めた。
「ああ、摂理の名前を私が出すのはおかしいですか?」
彼は続けた。
「いいんですよ。私はあなたにここで殺される運命にあるんですから」
真剣な眼差しをスリーヴは四条に向けていた。四条は首を振る。
「摂理がそう予言したのか。僕があなたを殺す、と」
今度はスリーヴが首を振る。
「いいえ、彼は未来が見える預言者ではありませんからねぇ。まあ未来を予測する能力は、人並みはずれていますが」
「なら僕があなたを殺すというのは」
「予感、ですよ。第六感のようなものです」
スリーヴが一歩、二歩と前に出る。四条はアリスを即座に展開した。いつでもそれを発動できるよう、処理を最後の手前で止めておく。しかしスリーヴはアリスを展開する素振りを見せない。ただ歩いて近づいてくるだけだ。
「さっきのなぜリディアを使ったのかという質問ですが、私の予想でよければお話しましょうか」
四条は構えを、警戒を解かない。四条の間合いぎりぎり半歩のところでスリーヴは止まった。やはり攻撃の意志は発せずに。
「それはリディアがあなたを兄のように慕っていたからでしょう。普通、そんな間柄だった人間同士が殺し合いだのができると思いますか? 答えはノーです。さらにリディアは遥かにあなたより能力が劣る。二人がぶつかれば結果は明白です。しかし、だからこそ摂理は彼女を使者にしたと言える」
「摂理……」
四条は目を閉じた。なぜこんな時に目を閉じるなどという愚行に走ったのかは自分でもよくわからない。ただ、その隙だらけの四条をスリーヴが攻撃することはなかった。
「あくまで私の考えですけどねぇ」
黒は何も言わない。
「摂理はあなたにリディアを殺させたかった。リディアもそれを望んでいたんじゃないですかねぇ。私達の受けていた指示も、リディアが生きていた場合はそれを殺すこと、でしたから」
「どうして僕にそんなことを喋る」
なぜ過去形になっていて、それの実行が失敗に終わったかのように口にするのか。
「だってそれは不可能になりましたからねぇ。だって四条くん、君は私を絶対にこの先には行かせてくれないでしょう?」
四条の目が暗くなる。一層その暗みを増していった。
「三嶋木の実、彼女はあなたの何なんでしょうか?」
「あなたには」四条がアリスの引き金を絞った。「関係のないことだ」
言葉が終わると同時にアリスが発動した。

レナ

日記を毎日つけてるなんて・・・


嘘だッ!!!

後数回

「皆さん、ここは私に任せていただけませんかねぇ?」
小谷教授が聞いた。他の黒いローブ達は顔を見合わし、皆同じように頷いた。
「わかった。彼には我々がそう伝えておこう。リディアはシャドゥの手によって亡き者にされていた、と」
「ありがとうございます」
それだけの会話を終えると、他の黒い人達は消えた。まるでそこにはいなかったかのように。
私は背中に乗せた浅野千絵を見た。このままでは、文字通り始末されてしまう。でもなぜ、小谷教授が? さっきから同じ疑問ばかりが頭の中を回っている。
助けを求めて四条を見ても、彼は黙ったまま俯いて目を瞑っているだけだ。何か考えているのだろうか。ひょっとしたら私と同じように悩んでいるのかもしれない。
「できれば抵抗せずにリディア……浅野千絵をこの場に置いて行ってくださると嬉しいのですがねぇ。無理でしょうか?」
小谷教授が私に視線を向ける。私はさっと身構えた。「この子をどうするつもりなんですか?」
さっきの会話を聞いていた限りでは、どうしようとしているのかは想像がつく。でも、もしかしたら……。教授は私達の味方で、逃がしてくれるために他の人を追い払ったっていう、自分勝手な解釈かもしれないけど、そういうことだってあるかもしれないじゃないか。
しかし答えは私の期待を大きく裏切るものだった。
「殺しますよ。必要があればあなたも殺します。まあシャドゥだけは今は殺せないのですがね」
私は絶句する。あまりにも私の頭の中での小谷教授とはあまりにもかけ離れていた。教授は、軽々しく殺すなんていう発言はしない。
ならあれは誰だ?
……認めなければならない。
あれは、小谷教授なのだと。
「シャドゥ……ここでは四条くんと呼びましょうか。君はあまり意外ではなさそうですね」
「個人の想像など脆いものだ。僕は何も信じていない。ただ、目の前に突き付けられた事実を認識していくだけだ」
「さっぱりしてますねぇ」
四条はまったく動じていないようだった。
何も信じていない。
その言葉はとても悲しく聞こえた。
「浅野千絵を置いて行ってくださいますか?」
「彼女はどうする?」
「浅野千絵を引き渡してくださったら考えてみましょう」
殺すとか殺さないとか、どうかしている。私は息を呑む。
 現実ではこんなやりとりはありえないと思っていた。
 でも、そう。
 私はついさっきも同じように命のやりとりをしているのを見ていた。
皆、狂っている。
浅野千絵も、小谷教授も、そして四条も!
「三嶋さん?」
はっと我に帰った。
四条が私を見ていた。私は四条を見ていた。
 正気に戻った私を確認すると、彼は小声で話し掛けてきた。
「君は浅野千絵と一緒に逃げるんだ」
 四条を置いて私一人で?
 静かに頷いて見せる。
「聞いての通りだ。彼は僕を殺せない。ならばそれを利用することを考えよう。僕が奴を抑える。殺されることはないのだから、僕はなんとかなる」
「でもまだ仲間がいるんじゃ? それに殺されないって言っても」
「心配いらない。奴らはそこまで姑息ではない。少なくとも、それは摂理が許さない」
セツリ? そういえばさっきも同じ名前を聞いたような気がする。いったいその人物と四条の関係は何?
「三嶋さん」私の肩を男性にしては細い手で掴む。「今だけでもいい。僕を信じてくれないか」
私は即座に頷いた。私の中ではもう、四条は信用に値するだけの人物になっている。昔のように?
「逃げる算段ですか? 無駄だと思いますがねぇ」
小谷教授が目を細めて口を三日月のように歪めた。
「いい趣味とは思えないな、スリーヴ」四条はトンッと足を鳴らした。「行くんだ」
それを合図に私は走った。
浅野千絵の体重は気にならない。火事場の馬鹿力というやつだろうか? いや、もともと浅野千絵が軽かったからだろうが。
背後で何か声が聞こえたが振り返らない。
数分走っただけで息がきれてきた。ロストメモリに入学してからは体育の時間がなかったし、自分から進んで運動するような性格でもないので知らないうちになまってしまっていたのだろうか。前はもう少し体力はあったのに。
「あなた」
背中から声がした。ゾッとしたが、それが浅野千絵のものだと気付く。どうやら目が覚めたらしい。
「何」
「どうして私を助けるの?」
嫌になるくらい普通の質問だった。さっきまで四条と争っていた人物とは思えないくらいに、弱気な。
「私は知らない。四条に聞いて。後、今走ってるからあまり喋らせないで」
息を切らせながら答えると、
「そう」
寂しそうな声がしたきり、私の背中に顔をうずめてきて、それ以上はもう何も話し掛けてこなかった。
ひょっとしてだけど、泣いてるの?
闇の中に浮かぶ月。今日は満月だ。
私は空気を深く吸い込み、そして吐く。
さっきまでの事が夢だったかのような平和さ。世界はこんなにも静かであるのに、どこかでは紛争とかが起きたりしているなんて、今の私には想像もつかなかった。
今出てきた廃ビルを振り返る。視界の端に四条を捕えた。
その背中には女の子を乗せている。さっきまで戦っていた浅野千絵だ。
気絶していて、今の彼女には意識がない。さっきまで敵だった相手におぶられているというのはどういったものなのだろうか。彼女にとってはきっと堪え難い屈辱に違いない。かなりプライドも高そうだったし。
「その子どうするの?」
まさか変なことするつもりじゃないでしょうねとか冗談を言おうかと思ったが、冗談が通じなさそうなのでやめておいた。
「家に送って行くとか?」
「放っておくことはない」
「そっか」
四条の肩のあたりに乗せられている浅野千絵の顔を見た。さっきまでのような凄味はまったくなく、その顔はただの年相応の少女のものだった。
本当にこんな少女と争っていたのだろうかと疑いたくなってくる。
驚くべきアリスの使い手とでも言えばいいのだろうか。こんな小さな女の子が私よりもアリスが数段上なんて、ちょっと信じがたい事実だ。
私も頑張ればあれくらいできるようになるのだろうかと考えていると、四条が横に並んだ。
「さっきはすまなかった」
「え、何が?」
まだ巻き込んだこととかそんなことを言っているんだろうか。それならもう気にしなくていいのに。
と言ってやろうとしていたら、四条の方が先に口を開いた。
「さっき、君のアリスに無断でリンクさせてもらった」
「リンク?」
相変わらず無知な私は首を傾げた。
「君のアリスを無断借用させてもらったということだ」
「そうなんだ」
 あの時感じた頭の痛みはそれかと思い当たった。
つまり、四条が私のアリスを勝手に使ったということだろうか。勝手に……。
「って、ちょっと待って。それって中の情報とかも」
「見てないけど、見れる状況にはあった」
「なっ……」
それはつまり私の日記帳を四条の横に置いてあったというのと同じような状況にあったということで。
「そういうことは一言言ってよ。個人的な情報もいれてあるんだから」
「心配しなくても僕は何も見てない」
こういう場合、問題は見たか見ていないかということではない気がする。それに嘘をついている可能性だってあるわけだから。
「っていうかロックはどうしたの?」
「解除させてもらった」
アリスは他人に悪用されないために、個人でできる範囲で厳重にロックするようにしている。未熟者の私でも、一応何重にもロックをかけてあるのだ。それをあんな一瞬のうちに解除してしまうなんて。
四条は普通じゃない。
見た目は暗い青年だが(十九はまだ少年だろうか)、アリスに関しては信じられないくらいの才能を持っているのだと思う。ロストメモリの教授クラスでも、四条ほどアリスを使える術者はそうはいないのではないだろうか。少なくとも私の知る限りでは、彼ほどアリスを扱える人間は他にはいない。ここ数日の間でそれを実感したような気がする。
とすると、この間小谷教授が言っていた四条に関わるなという発言はここから来ているのかもしれない。教授なら自分の生徒である四条の実力くらいなら知っているだろう。
って、今はそんな考察ではなくて。
「本当に何も見てない?」
頷く。
「次からはいきなりそういうことしないでね……」
「日常でこんなことはしない」
「ならいいけど……」
私は知らずため息をついた。一度は二度と関わるまいと思っていた相手と、今は普通に話していられることに何か奇妙な誤差のようなものを感じた。
それに私が嫌悪した四条は、今のような四条ではなかった気がする。
四条は四条で四条以外の何者でもないはずなのに、このギャップは何なのだろう。
「三嶋さん」
「え、何?」
考え事をしていたので、虚をつかれたように私は切り返す。そこで私は四条が足を止めていることに気が付いた。
「浅野千絵を家に連れ帰ってあげてほしい。自宅の場所は仲居愛美さんが知っているだろう」
そう言って半ば押しつけるように浅野千絵を私の背中に乗せてくる。
「ち、ちょっと。四条は?」
「僕は……」
四条は空を見上げ目を瞑っていた。そしてその状態からゆっくりと目を開き、
「彼に用がある」
その目を見て私は後ずさってしまった。それは以前、私が彼に畏怖の念を抱いた時のものとまったく同じものだったのだから。
悲しみとか怒りとか、そういうものじゃなくて、底が見えない程に暗い目。そこにいると、その闇に取り込まれるような気さえしてくる。
「僕から離れろ」
足がすくんで動けない私に追い打ちをかけるように言う。
いきなりどうしたというのだろう。ワケがわからなくなって頭が上手く回ってくれない。離れろっていうのは、この場から消えろということだろうか。では彼らというのは?
私は周囲に目をやった。誰もいない。少なくとも私が見る限りでは。
「あの……」
戸惑ったように声をかける。しかし四条の視線は私を見てはいなかった。私は四条の視線の先を追った。 いた。確かに人がいた。しかも複数で。
さっき見回してもわからなかったのは、彼らの衣裳が闇と同化しといたからだろう。夜だからはっきりとはわからないが、彼らはローブを羽織っており、その色は闇に近い黒だった。
「リディアを置いてゆけ、シャドゥ」
その中の一人が言った。リディアというのは浅野千絵のことだから、浅野千絵をここに置いていけということ?
私は四条を見た。どうしたらいいのかわからない。でも彼ならどうしたらいいのかを知っているような気がした。
四条はちらりと視線を寄越し、「君は行くんだ」小声で言う。
「……四条?」
「僕だけならば何とかなる」
「なるほど」漆黒の一人が言った。「イレギュラー因子が一つ混ざっていたというわけですか」
おかしそうに笑う。イレギュラーとは何かと考えてみたが、すぐに自分のことなんだろうなと思い当たった。
「彼女は違う」
四条がまた庇ってくれている? 私を?
「イレギュラーは許されないんですよ、ねぇ皆さん?」
 黒い奴らが一歩、こちらに踏み出した。逃げなければならないとは思ってはいるものの、身体が動いてくれない。
「私も教え子を手に掛けたくはないんですけどねぇ。しかしイレギュラーをそのままにしておくわけにもいかないのですよ。私は忠告しましたよね? 四条貴擁には関わらないようにと」
……え? 今、何と言った?
「残念ですよ、三嶋さん。あなたには期待していたんですがねぇ」
「嘘……だ……」
目を背けてはならない。あの人物は。
「小谷教授……?」
なぜあなたがここにいるんですか?
私は心の中で問うた。

ごめんね

小説なのです。

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やりたいことがあるのでしばらく小説載せると思うです。

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虫処理

久しぶりにMIXI。
相変わらずマイミクというのが少ない私。
この少なさは異常じゃない?
別にいいんだけどね。

何かバイトで、私は虫処理班のようになってきた。
皆が虫をとるのを嫌がってしまうので、私がやるしかなくなる……。
私も好きじゃないんだけどね?
ただオーナーはそういうのは平気。
前にちょっと大きな虫がいて、「何か問題ある?」「あります。虫がいます!」と言ったところオーナーは、
「可愛い虫やん」
と微笑みながら退治してくれましたとさ。
ていうか最近オーナーが面白くて、かなり話とかしてる気がする。
オーナーは株に興味津々。
何だか楽しそうでいいなぁ。

ちょっと今日はある意味ショッキングな発見をしてしまった。

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